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ラインメンテナンス [釣り]

初めて手にしたフライフィッシングの道具は#5のロッドにリールからラインやフライまで入ったコータック製のセットだった。このうち硬すぎたロッドは廃却してしまった。フライボックスはカディス用に今でも使っているしリール(コータックCR56)も使っている。今はもう軸にガタが出てきたこのリールを竿に付けることはなく、勿論、川に持ち出すことは無い。さりとて廃却するつもりも無い。CR56の樹脂製のクリック爪を外してラインワインダーとしてフライラインをメンテナンスしたり巻き変えたりするのに使っているのだ。
痛んだラインをメンテナンスするために使い慣れたリールとシーズン中の出番がないCR56とを対面させた。CR56を回すとフライフィッシング始めた頃を思いだす。

釣りを始めた頃は近場の川で釣りをすることが多かった。綺麗なオイカワが釣れたが川は野放図な排水のせいで今よりも汚れがひどかった。そんな近場の川で釣りをするとラインは薄っすらと汚れてしまうし、リーダーも然り、ロッドも同様だった。だから、釣りの後は道具を綺麗にするために手入れが欠かせなかった。とはいえ道具の手入れも釣りの楽しみの一つだった。
フライフィッシングの面白さに夢中になり、ロッドを新調しハーディのリールも手に入れると当たり前のようにラインは3Mのウルトラ3を使うようになった。それでもラインの手入れといえば、それまでと同じようにラインクリーナを塗ってはティシューペーパーでふき取るようにしていた。少し傷の着いたラインでも強くしごけば少しは綺麗になった。実際にそれだけで高価な3Mのウルトラ3は気持ちよくスルスルとラインが伸びていった。ところが、半シーズンも使うとラインは硬化し始め表面にクラックも出始めた。そうして終にはフロントのテーパー部分でさえも異様に硬くなってダブルテーパーのラインを巻き替えずには使えないような状態になっていった。思えば情熱だけが先走りPVC製のフローティングラインの構造や機能について十分に理解していなかったのだ。
フローティングラインはブレイデッドコアの周りにPVCがコーティングされている。ラインは発泡材等で重量と比重を調整される。浮力は比重とライン表面の撥水性で維持される。PVCラインはそのままでは潤滑性が不足するからPVCに潤滑材を添加されている。ラインの硬さは可塑剤で云々・・・つまりフローティングラインの劣化(浮力、潤滑性、柔軟性の低下)は、ブレイデッドコア+PVCの基本構造に加えられた処理や添加されている部材が失われることでおきてしまう。
改めてこのことを理解してからは、熱を入れた(正に呼んで字ごとくの)ラインの手入れをしなくなった。水の綺麗な流れでヤマメを狙うようになったことでラインの汚れもほとんど無くなったのもその理由だが、気が向けばシーズンの終わりに一度、それもティシューペーパーで軽くふき取る程度になっている。
今ではシュープリーム2が常用するラインになっていて、新しいラインをリールに巻き込む前に必ず行うのことがある。可塑剤入りのPERMAPLASを一塗りして少しラインを柔らかくしてから使うようにしている。そうすることで幾つかのリールに巻きっぱなしのフライラインを数シーズン使い続けている。

CR56とを対面させたCFOⅢに巻いてあるお気入りのラベンダーのラインは、さすがに色あせて両方のテーパーが水色になってしまった。ストックしてあったラベンダーのラインは、またCFOⅢに巻こうと思う。


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