中秋の月 [釣り]
永く釣りをしていると同じヤマメを時を違えて釣り上げることがある。自然河川で同じヤマメをまた釣ったなどと人に話すと一笑に付されることがある。それでも、自分はそう思っている。
初めて、それを認識したのは1995年5月ごろの澄川でのこと、今は埋もれてしまった左岸の岩盤沿いの流れ込みからクイルボディパラシュートで釣り上げた25cmのヤマメは、7月にまた釣り上げた時には約27cmまで成長していた。コンパクトカメラで撮った写真を何遍も見比べて、やはり同じ個体だと判断した。
2度目はは、1997年ごろだと思う。それは澄川の大砂防ダム下のプールの左岸よりの流れ出しで釣り上げた良型だった。その釣行の後、一月くらいして釣友が同じプールのイブニング狙いで27cmの良型を釣り上げた。少し乱れた幼魚班を持つヤマメの写真を見比べてみたがは明らかに同じ個体だった。
3度目は名栗川でのこと。梅雨時のプールで釣り上げた良型は、その一ヶ月ほど前に他の釣人が釣り上げたものと同じだった。
共通しているのは、何れも同じポイントで釣り上げたものだということ。
これらのことを人に話すと「釣ったヤマメの顔が分かるの?」と変人のように私を見るが、ヤマメ成魚の幼魚斑は万に一つも同じものが無いと思っているので、私は至ってまじめに話しているのだ。(やまめの個体識別はもう少し調べてみようと思っている)
今年も、同じ魚を釣り上げた。
場所はここ。左岸から張り出した倒木の下流1m位のかけあがりから7月25日に、2回目は倒木の間の深いところから8月25日に釣り上げた。(7月にはもう少し10cmほど水嵩があった)
7月27日のヤマメ、尾又体長19.5cm。
8月25日のヤマメ、尾又体長20.3cm。(約8mm成長している)
きっと、今頃は体長も21cmをこえ、谷川岳に中秋の月を眺めているかもしれない。
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