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750 F1 [DUCATI 750 F1]

バイクはフェアな乗り物、他人だけを傷つけることは無く、その時には自分も傷つく。
DUCATI 750 F1-Ⅱ。もう長い間、物置で休んでいる。

結婚してからはバイクから遠ざかっていた。やがて次男を授かり、その後暫くしてから再びバイクに乗り始めた。もとよりモーターのように回る4気筒エンジンは肌に合わなかったので、シングルやツインを選んで乗り継いできた。やがてより濃密な時を過ごすためのバイク願望が強くなっていった。
そんな折、ある雑誌に掲載された気になっていたニューモデルの記事を読み終えて(やや奇をてらった仕掛けに興がさめたまま)次のページをめくると、その写真に釘付けなってしまった。

カウルを外された姿には、TT2を思わせるトレリスフレームの間に黒塗りのPANTAHエンジンが納まっていた。やや外観を意識した感のあるコグドベルトのカバーを除けばライダーに媚びるものは無かった。主張するのではなく誘うのでもない。DUCATI 750 F1。それに一目で心を奪われてしまったのだ。とはいえ当時の価格は確か175万円ほどであり、自分の薄給では深くため息をつくしかなく、夢でしかなかった。

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                  RC166

それでも夢を現実のものにしたい。
だめで、もともと、妻に相談すると、「何とかなるんじゃない」の返事が返ってきた。折りしも円高だったのでF1-Ⅱ型は135万円まで価格が下がっていた。(家計は決して楽ではなかったはずだが・・・感謝)そうして30を少し過ぎた誕生日プレゼントとして購入できることになった。

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                 NS500

待ち遠しかったその日は、行きつけのショップの社長と村山モータースまで受取りに同行した。木造の古い店舗の奥から木箱に包まれたままの750 F1を受け取りトラックに積み込み、途中で真っ赤になるほどの唐辛子の入ったラーメンを食べてショップまで戻った。
ショップに着いて店内に降ろされた木箱を前に社長は、「とうちゃん、自分で木箱を開けて、セットアップしなよ!」の一言。粋なはからいだった。

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                 YZR500

翌日、ショップが開くのを待って、セットアップを行った。思いのほかほっそりとした木箱を四方に開けると、フロントフォークをトップブリッジから大きく突き出して、少し前かがみの状態になったPANTAH F1が現れた。
恋焦がれた赤いフレームに収まったPANTAH系のエンジン。このバイクと正直に向かい添い遂げたい、そんな気持ちになった。

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                 900 NCR

セットアップは、フロントサスペンションを除けば大事なく進んだ。フロントフォークに関する村山モータースのインストラクションにはスプリングのプリセットは約30mmほどのカラーを装着することになっていたが、このカラーの出来映えがどうにも納得いかないものだったので、これは旋盤を使って仕上げなおして装着した。同時に粘度が高すぎるダンパーオイルも交換した。

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言い訳程度にしかならないエアクリーナー(前側のそれは右膝に当たる)はメッシュつきのファンネルに交換した。それもあって、気持ちよくスロットルを空けると、コンチのマフラーから出る排気音よりも、加速ポンプ付きのデロルトの吸気音がシュコシュコッとそれに応えた。
気を抜いた走りにはダルな面を覗かせるだけで何も応えてくれない。その反面、気を入れて次の動作に備えて常に前に進めるようすると活き活きとしてくる。イタリアンカラーまとったDUCATI 750 F1は色々な思いをさせてくれた。

その750 F1も今は大過なく時を過ごして物置で休んでいる。乗らなくなって久しいが廃車にしてはいない。緩んだ足腰をメンテナンスをして、いつかまた乗たいと思う。
そうして、棄てることができない・・・。

 


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