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はぜる [塗師屋]

9月16日 先週のうちに糯の稲刈りをして“稲掛け”を終えた。そうして今日は粳の稲刈りを終えた。
粳米はコンバインで収穫するので稲刈りは同時に脱穀も意味していて、収穫した米は乾燥機に投入して水分量15%を目標に乾燥させる。一方、糯は作付けが少ないので面倒でも稲刈りをして昔ながらの“稲掛け”をして天日で干してから脱穀機にかける。古い脱穀機は糯米専用となって久しい。こうしておけば糯米と粳米が混ざるのを避けられる。とはいえ籾摺り機は一台しかないので隅々まで清掃しないといけないのだが・・・。

ところで、この辺りでは稲木に稲を干すのを“稲掛け”と言っているが地方によっては“はざがけ”というところもある。似たような稲作の言葉に“はぜる”というのがある。僕はこの“はぜがけ”は稲を“はぜる”ために稲掛けをすることだと思い込んでいた。だから“はざかけ”ではなくて“はぜがけ”か?などとも・・・。
あらためて調べてみれば“はぜる”とは糯米を干して十分な乾燥状態になると玄米が白くなることをいうので、稲作で“はぜない”と言えば糯米の乾燥が足りないという意味になるし、“はぜた”と言えば乾燥したという意味になる。
これとは別に“爆ぜる”と書いて“はぜる”と読むが、これは木の実などが熟しきってはじけるさまを言うらしい。“糯米がはぜる”とはこの熟しきる意味を米に当てはめたのだろうか・・・。
それから、“はざかけ”これは“稲架掛け”と書くらしいが“稲架”を“はざ”と読むのは強引な感じがする。

百科事典によれば、稲束の乾燥法のひとつに架干し(かぼし)があり、架干しのために用いられるのが稲架であり、稲架は地方によって“はざ”,“いねかけ”,“いなぎ”、等々・・・の呼び名があるという。
“いなぎ”は“稲木”、“いねかけ”は“稲架”を充てれば納まりが良いかんじがするが“はざ”はやはり“爆ぜる”から“はぜる”になって“稲架”に“はざ”を充てたような気がする。もしもそうだとすれば“はぜる”から“はぜがけ”となりそれが“はざかけ”になったのではという思い込みはあながち外れではない気もするが・・・。
稲掛けをした糯米はあと数日ではぜると思う。


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